ブログの方向性が全く定まらず迷走しまくっております48です。
実は私、ラーメンが大好きで日本に帰れば一日3食全てラーメン、多い日は5食らーめんの日もあるというくらいラーメンが大好きで、親友の結婚式の4次会中、女の子に相手にされなかったためどうしてもらーめんが食べたくなった私は、カラオケから1人抜け出しらーめんを求め夜の町を徘徊するほどのラーメン好き。
そこで上海で一番美味い日系ラーメンはどこだ!?ということで鬼のような寒さの中、意を決して古北を飛び出しました。
予定日を過ぎいまだ出てくる気配のベイビーと妻も一緒です。
今回向かったのは新天地の『大福屋』
どうやら日本で流行りの野郎らーめん系列らしい。
ネットでは中々評判の良い店だったので期待が高まります。
ちなみにこの時電車で行ったのですが、新天地の駅に到着し地下から6号出口から出ようとしたところ、エレベーター及びエスカレーター等の乗っているだけで人間を地上へ移動させてくれる電動昇降機がなく、己が2本の足を駆使し上へと這い上がるための原始的構造物、階段のみとなっていました。
この階段がなかなかの高さで、『ちょっとだるいなぁ・・・まぁしょうがないか』と思っていたのもつかの間、私の隣りにいる一人の妊婦が下から階段を見上げ、ドスの聞いた声でこう囁きました。
『おぶれ。』
OBURE?
おぶれ?
おぶる?
私が?
おぶるとは一人の人間(以下おぶり人)がもう一人(以下おぶられ人)に背中を差し出し、おぶり人とおぶられ人が重なった状態になった上でおぶられ人の膝の裏、もも下に対しておぶり人がガッチリと腕を絡ませホールド、おぶられ人の臀部をおぶり人の腰よりやや高めに位置でキープ、そのまま立ち上がり、最高の乗り心地を提供するためおぶり人が腰を折り曲げてポジショニング、微調整、このまま移動することによりおぶられ人の体力の消耗はほぼ0、おぶり人の体力の消耗は相手の体重によって左右されるという、主に足を負傷したけが人を運ぶときや小さいお子さんをあやす時などに使われる人的運搬術のことをいっているのだろうか?
妊婦という特権をフルに活かし増量に次ぐ増量、ついには医者に『no more』と言わせてみせ(俗にいうドクターストップである)、ボクシングの階級で称えるなら少なく見積もってもウェルター級、いやスーパーウェルター級はあると言っても過言ではないこの妊婦は今私にこう言っているのだ。
『おぶれ。』
楽しくらーめんを食べに来たのに一体何を言っているのだこの女は、と困惑しつつもこの言葉を頭のなかで反芻するとあることに気づいた。
そう。
これは一種の交渉や願望を私に説いているとかそういう類のものでは一切ない。
完全なる命令である。
しかも今まで付き合ってきた私の経験から察するに、この『おぶれ。』という3文字に隠されたメッセージを解き明かすとその情報量たるや3文字ではもちろんすまない。
『私をおぶって極力振動を与えずかつそれなりのスピードを維持しながら安全第一で階段を駆け上がりなんだったらそのまま大福屋の椅子のところまで運びなさいよ。』
の意である。
たった3文字なのにこの情報量、CIAもびっくりである。
私は考えた。
このどう少なく見積もってもスーパーライト級かひょっとしたらライトヘビー級はあろうかという妊婦が身長175cm(当社比)体重134ポンドであるこの私におぶれと命じている。
愛する妻の望みは男としては力の限り答えてやりたいと思うもの。
もといこれは命令である。
そうやるしかないのだ。
男として戦わなければならないときがある。
今がその時だ。
おぶる。ことはできるだろう。
私も男である。
しかしこの綿密な計算をしたうえでどう少なく見積もってもクルーザー級、調子のいい時は最高階級であるヘヴィー級にも達しようとするこの愛すべき妊婦をおぶった状態で30〜40段はあろう階段を極力振動を与えずかつそれなりのスピードを維持しながら安全第一で階段を駆け上がりなんだったらそのまま大福屋の椅子のところまで運ぶことはできるのだろうか?
いや、これは命令である、できるできないの話ではない、『やる』のだ。
『おぶれ。』の命令が飛んできてからこの間2秒。
私はこう応えた。
『ちょっ・・・無理っ・・・』
しかし、荒れ狂う太平洋のような広い心をもつヘヴィー級妊婦は
『うそうそ、行こう行こう!』と許してくれた。
心の広いヘヴィー級な妻を持って本当に良かったなぁと心から感じた瞬間である。
あ、らーめんは普通に美味しかったです。
おわり。