ダンスが上手くなるために重要な事って色々あると思います。
練習、本番、遊び、音楽を聴く、歴史を知る、文化に触れる…etc
どれも重要ですが、単純に技術を伸ばすために必要な事ってなんなのか?
練習
は当然必要ですが、どんな練習をしたら良いのかという質問をよく受けます。
今から書くことはお手本や目標があっての練習の場合ですが、
①目標を知る・・・上手い人はどんな踊りをしているのか?
②自分を知る・・・自分がどんな踊りをしてるのか?
③差を知る・・・自分と目標にどんな違いがあるのか?
をしっかり把握しながら練習するのが良いんじゃないかなと。
で、これを見極めるために
観察力
が重要だなと改めて思ったので偉そうに綴っていきます。
神は細部に宿る
以前にこんな記事を書きました。
今回のはまた別で観察力の話です。
ざっくりいうと、上手な子は
自分とお手本になるダンサーの違いを細かいところまで理解できるということ。
そしてその差を埋めるために練習を積む。⬅コレ大事
僕の話になるんですが
ここ最近はコロナの影響でオンラインダンスレッスンをしていて、タイに居ながら子ども達にダンスを教えたり、喋ったりできています。
うちのダンスレッスンでは終わった後にお手本の動画を先生が送っていて
レッスン後に動画を送って来てくれる子たちがいて大変喜ばしいことなんですが、
ん!?そこぜんぜん違う(T_T)
ってなることが多くて、どうしたらいいんだろう・・・ってなってました。
僕の技術力、指導力不足は日々研鑽し続けるとして、オンラインレッスン特有の難しさとかもあると思うんですが、伝わってる子とそうでない子は何が違うのか?
そんなことを考えつつも、僕自身、最近Web上にあるダンスのコンテンツで結構勉強や練習をしていて
ある日中国の友人のダンスを研究してたんですね(ジャンルはLOCK)
ダンスレクチャーを見るのではなく振りの解読。
コマ送りで何十回何百回と見てどんな動きかを把握し、練習。
見る、直す、練習の繰り返し。
ブレイクもそうだけどやっぱり熟練された人の動きってすげぇ滑らかで。
コマ送りにしてみることで改めて分かる所がすごい多くて。
ペーシングに微妙にウェーブ通してる
とか
この時体重は左に少し載せてる
とか
リストロールの前に軽くハイハットの音を叩いてる
とか
振りに入れてないだろうけど、ここの音をバウンスで自然にとっててそれがカッコイイ
とか。
神は細部に宿る
って言葉がありますが
こういった細かい所やこだわりがめっちゃかっこいいダンスになって現れたりするんですよね。
で、気づいた。
『ん?みんな、ここまでじっくり観察してるかな?』
自分の方がかっこいいなと思えてたらそれはそれでいいんだけど
できてない(気づいてない)
と
分かっててやってない
だと全く違うので
こういった細かいところに気づける観察力があるかどうかってすごい重要なんじゃね?
と思ったわけです。
解像度が変わってくる
観察力が高い人と低い人では同じダンスを見ても、得られる情報量が変わってくる。
たとえばこの動画。
9stepperzという日本のLockダンスチームのネタなんですが
0:19から始まるルーティーンの冒頭3カウントの動き。
①手を上げる
②Lock
③左(画面を見て)にペーシング
ってコンボなんですが、観察力が低いと
手を上げて、Lockして、左にペーシングだ!
で終わっちゃうんですよね。
実際そうなのでLockin’分かってる人は何いってんだこいつ?と思うかもしれないですが
基礎、基本ができてる人はそれでいいんです。その動き自体を理解してるから。
けど、そうじゃない人はしっかり見ないといけない。
Lockという動き一つとっても、実際は胸が入ってて、どっちかに腰傾けててとか色々あると思うんだけど
手を、前に、出す!
だけの解釈になってる可能性があるww
そして本人はそれでできてると思ってしまう。
⬆これが上手にならない原因。できた!のハードルが超低い。
ダンスに関して上手くならないとといけないわけでは全く無いので楽しむ分には大いに結構なんだけど、上手くなりたいならもっと細かく厳しく見ていかないといけない。
基本が入ってない人でも観察力が高ければ
①手を挙げる+体をしっかり引き上げる
②Lock+Lockの前に一度腕を戻してからLock
③ペーシング+顔は腕の方向に出す、腕は体から出す
みたいな感じになる。
その動きが理解できてて自分がどこができていないか
を分かっていれば
あとはできてない所をひたすら練習するだけだからどんどん近づいていく。
あとよーく見ると一番前の女性はペーシングの前に若干右に体を引っ張ってからペーシングしてて、後ろの男性2人は引っ張ってないみたいな違いもあって。
(⬆これはペーシングに対する意識の違いだと思うけど)
チームのショーケースの場合、目立ってる人とかなんかこの人かっこいいな〜って思う人ほどよく観察してたらその人なりの癖とかちょっとした違いを発見することがある。
こういうのをどんどん見つけて自分に取り込んだり、なんでこうなってるのかとか考えるのも大事。
こんな感じでよーく見て一つの動きを観察すると
自分と目標との問題点が分かってくるからあとは反復練習あるのみ。
自分ができない動きは理解できない
観察力が重要なのは分かったけどどうすれば高められるか?
一つはそのままだけどとにかくじっくり見ること。
生で見れるのが一番だけど、動画は好きなだけ見れるというのが超利点なのでとにかく観察して違いを見つける。
で、もうひとつは
色んな身体の動かし方を知る、理解する事。
観察力なのに動かし方?
と思うかもしれないけど、外国語を学習する時に
自分が発音できない音は聞こえない
って聞いたことありませんか?
英語でいうと日本語にはRの音がないから日本人はRとLが同じに聞こえるってやつ。
ダンスもこれに通じるものがあると思ってて
例えば腰を使ったステップをしているのに足だけのステップになっている。
コレは本人が腰を使った動きをなんとな〜くでも良いから知っていないとできない。
振り付けだけ見た時にそういう身体の動かし方を知らなければ腰に対する意識がないからただのステップとしか思わないんですよね。
これ、ブレイキンのパワームーブやフリーズが特に顕著だなと思ってて、僕が未だにモノに出来てないエアートラックスがまさにこれ。
数千回以上はエアー見てるし同じくらい練習してますが、キャッチの時の成功の感覚が未だに掴めてない。
そりゃそうだよね、まだできない動きに挑戦してるわけだから。
成功の体の使い方を想像はできても実行がなかなか難しい。
幸い立ち踊りに関してはここまでの運動能力が必要な動きは限られるので、ゆっくりやればできないってことはない。
だからアイソレーションや基本の動きの練習で体の使い方を色々学んでいけば、
ダンスを見た時にどこをどう動かして踊ってるか分かるようになるので
同じものを見たときでも情報量、ってか質が変わってくるって結論。
①アイソレや基本のステップで体の使い方、使える場所、動かし方を覚える
②ダンスを見た時にどこで動かしてるか、体重の運び、タイミングなどの見当がつくようになる
③練習する
④新しい動かし方が身につく
②に戻る
みたいな感じのいいループが生まれる。
まとめ
①上手くなるには目標となるダンス、動きを細かい所までしっかり見る
②そこで発見した自分との違いを埋めるために練習をする
③観察力を高くするにはよく見る事と体の動かし方を知るのが重要
今回は
よーく見て練習しようね☆
ってことを長ったらしく偉っそうに書きましたが、この記事は自分で他ジャンルを練習してる中で気づいたことを整理する意味&自戒を込めてまとめさせて頂きました。
僕も全然カスなのでみっちりやって精進していきます。ダンスマジで深い。
そしてすんげぇ楽しい。
これが上達するための全てでは全く無いですが、同じフリをやってるのになんか違うなと思ったらとにかくめちゃめちゃ厳しい目線で観察してみて下さい。
悩んでる誰かに届けば幸いです。
そんな感じ!