ドラクエの呪文の語感の良さは異常である。
イオナズン、ベギラゴン、メラゾーマ、ギガデイン。
どれだけグラフィックが進化しようがオンラインで対戦ができようがこれを超える語感の良い呪文や魔法はなかなか無いのではと思う。
しかもその進化の過程たるやFFの比ではない。
FFに代表される炎で相手を攻撃する魔法はファイアという。
ファイアは魔法の威力によって以下のように変化する。
ファイア>ファイラ>ファイガ>ファイジャ
語尾のみ。
単調な語尾の変化のみである。
しかもうち2つは一文字のみ。
漂う圧倒的手抜き感。
モンスター達を灼熱の業火へと滅却する地獄の火炎魔法ファイア、その進化過程がまさかの語尾の変化のみである。
これを多様な飲食店、居酒屋を展開しているワタミグループで例えると
ワタミ>ワタミン>ワタミダ>ワタミンゴ
程度の変化である。
サービス内容の違いはあれどこの店舗名では差別化による集客は期待できないであろう。
いくら日本を代表するような素晴らしいゲームとはいえこれは許されるものではない。
ドラクエの方がはるかに上だ。
ドラクエに代表される氷の呪文ヒャドの進化の過程をご覧頂きたい。
ヒャド>ヒャダルコ>ヒャダイン>マヒャド
ネーミングセンスに脱帽である。
まずベースである氷の最下位呪文がヒャドの時点でセンスがやばい。
FF側の氷の最下位魔法はブリザド。
安易すぎる。確実に英語のブリザードからきている。
確かに想像しやすいというのはあるが、これではペットの犬の事をドッグとかドギーといっているよなもの。
対するドラクエのヒャド。
ヒャドである。
なぜか冷たい印象を受ける。
そして英語らしい印象を全く受けない。
ドラクエという世界にのみ存在する言葉のような気がして世界に引き込まれる。
一度でいいので実際に口にするとその良さが実感して頂けるだろう。
今、あなたはどこでこの記事を読んでいるだろうか?
電車の中だろうか?トイレだろうか?リビングだろうか?それとも外出先だろうか?
ぜひ勇気を持って口に出して欲しい。
ヒャド!
と。
可能であれば利き手を前に突き出して。
そう、ここで大半の人間は唱えないのが普通である。
魔法使いと言霊の力を信じない一般人の溝はこうして深まっていく。
唱えたあなた。
利き手を前に突き出して唱えたあなた。
利き手を前に突き出し前方をまっすぐ見据え、ちょっとひねりを加えながら唱えたあなた。
ようこそ。魔法使いの世界へ。
まず自分がちょっと色んな意味で人と違う人間だということを認識して頂きたい。
だが、少し気分が高揚してこないだろうか?
やはり語感が良いのである。
唱えるとなぜか気持ちのいい言葉。
上位呪文であるヒャダルコ、ヒャダインを唱えようものならさぁ大変。
さらにテンションは上がってくる。盛大に上がる。
なぜかドラクエの呪文は不思議と言いたくなる響きなのだ。
一体どこからこの響きを生み出してきたのか?
ヒャダルコは東北地方の方言『ひゃだるっこい』からきているようだが問題はその後のヒャダインである。
ヒャダインを分解すると
ヒャド系の代名詞である『ヒャ』はおそらくヒヤッとしたとかそういう日本語的表現の部分からきているのだろうと推測できる。
そして『ダ』。ヒャドの『ド』ではなくヒャダルコの『ダ』をチョイスするあたりにセンスを感じる。
『イン』に関しては完全に謎。どういう育ち方をしたらこのあとに『イン』を持ってくる発想に至るのか問い詰めたい。
とにかくToo cool。
ヒャダインはやばい。
どれくらいやばいのかひとつ例をあげてみる。
欧米で大人気のアーティスト、Justin Bieberが新曲で『Hyadain』なんて曲を出そうものならたちまち大ヒット、あの名曲『Baby』をも超えるセールスを記録しビルボード・チャートは常に1位、Youtubeの再生回数は20億回を突破し、世界のコレオグラファー達はこぞって『Hyadain』の振付をアップロード、Twitterは『Hyadain』という文字で溢れかえり、グラミー賞を飛び越して何故かノーベル賞を受賞。授賞式に黒いパーカー姿で現れ壇上でネタを吸引、一躍時の人に。
その後現在大ヒット中の『Sorry』を獄中から歌い上げた楽曲『I just wanna say sorry in prison feat.Pitbull,T-Pain&Nicki Minaj』がさらなるセールスを記録するところまでは容易に想像できる。
そしてこのセンス抜群のヒャダルコ、ヒャダインを超える最上位呪文が『マヒャド』である。
お気づきだろうか?
語尾ではなく語頭が違うのである。
いままで扱ってきた呪文たちは一貫性に対する意識からか語尾のみを変化させるパターンばかり。
しかしこいつはちがう。氷雪系呪文最上位である奴の名は『マヒャド』
語尾を変化させるという攻撃呪文業界の根底を覆す発想。
そして『マ』をつけただけなのになぜか強烈な威力をイメージさせる。
鯵(あじ)という魚がいるがこれも真鯵(まあじ)になっただけかなり高級そうに感じる。
まさしくイノベーションである。
しかも私の推測が正しければこの『マ』はマイケルジャクソンの『マ』である。
みなさんご存知、King of pop マイコーの『マ』。
ラッパーのエミネムがもしマミネムに改名したなら世の中はもっとスリムシェイディでルーズユアセルフになるだろう。
彼の自伝映画、8マイルがヒットしたのもひとえにこの『マ』の威力と言っても過言ではない。
そして世界に名を轟かせる方達の名前には『マ』が入ってるケースが多く確認されている。
アメリカ合衆国大統領バラク・オバマの『マ』、ソフトバンクの孫正義も『マ』、マーフィーの法則のマーフィーも『マ』、地上最強の生物範馬勇次郎も『マ』、マイク・タイソンも『マ』、MAKIDAIも『マ』、アンパンマン、食パンマン、カレーパンマン、ワンパンマンも総じて『マ』。
これぞ『マ』の法則である。
いち早くこの『マ』の法則に気づき、呪文に取り入れた発案者の先見性には驚愕せざるをえない。
ヒャド系の頂点に君臨するにふさわしいネーミングといえる。
ここまでざっと解説させてもらったがいかかがだろうか?
ドラクエの呪文の凄さをご理解頂けただろうか?
私も窮地に陥った際には相手に対して躊躇なく
マヒャド。(ちょっとキレ気味で)
と言えるような人材になりたい
とは微塵も思っていないから安心してほしい。
あと私はFF派である。
今日は娘をお風呂に入れる方法を教えてもらいました。
おわり。